第1章 *File.1*
どう言葉にして伝えたら上手く伝わるのだろう?
何を証拠にしたら、雪乃からの信用を得られ、オレがキミを信用していると確信してもらえるのだろう?
「……う、ん」
「熱があるのに、ごめん」
ポンと柔らかな髪に触れると、身体を支えてゆっくりと雪乃を寝かせてあげる。
「ううん。やっぱり、景光は……」
「ん?」
「誰よりも、優しいよ」
目を細めて、ふんわりと綺麗な笑みを見せた。
「!」
もう、雪乃に惚れるなって言う方が無理だ!
「?」
「……有難う」
オレは平常心をなんとか保ちながら、無自覚な雪乃にお礼を返すので精一杯だった。