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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第1章 *File.1*


「……」

どうしよ。
好きが止まらない。
日に日に、いろんな好きが心の中で蓄積されて行く。
何で!
どうして、私なんかにあんなに優しくしてくれるの?
どうして、私を護るなんて、信用してるだなんて、言ってくれたの?
ねえ、景光。
私が貴方を好きにならないワケがないでしょう?
もうこれ以上の想いを抱え込む前に、此処から離れたい。
でも、その想いと同じぐらい、此処から離れたくは無い。
だって、叶うならば、このまま誰よりも景光の傍に居て、彼の温もりと優しさも声も穏やかな眼差しさえも全てを独り占めしたい。
そう強く願う、私がいる。
だけど、願いは願い。
そう。
叶うはずもなければ、想いを伝える勇気さえ持ち合わせてはいない。
それに。
彼を信用したいのに、それが素直に出来ない。
何故?
何時の日か、彼に裏切られるから?
その時は、自ら生命を絶てばいいだけでしょう?
方法なんて、いくらでもあるんだから。
元々喪った生命なんだから、今更でしょう?
私はこの世界の住人ではないから、信用なんかしてもらえるはずが無い?
彼にとっては、そもそも私の存在自体が怪しい。
出逢い方からして、私の全てが怪しいと思われて当たり前じゃない?
だったら、このまま途切れることも解消されることもない迷いや不安を抱える毎日を送るのなら、早く此処から立ち去るのが一番いい。
私の為にも。
景光の為にも。
元の世界に戻れないのだから、せめて景光やゼロ達がいない、遠い場所へ行きたい。
この出逢いと夢のような幸せな生活を糧にして、貴方達ともう二度と関わることもなく、再び死を迎えるまで、ひっそりと独りで生きて行く。
どうせ生活をするなら、生前暮らしていた土地からも遠い場所へ。
今の私の存在を知る人が、誰一人としていない場所がいい。
それを実現するには、私は一体どうしたらいい?


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