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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第15章 *File.15*(R18)


「でも、ダメだったの。例えどれだけ離れていても、私の存在を忘れられても、結局、景光への想いは日々重なるばかりで、増えるばっかりだったから」
「……雪乃」

きっと、オレが雪乃の記憶をなくしたから、吐き出してもらえた、オレへの想い。
今回のことがなければ、きっと一生かかっても聞かせてはくれなかっただろう、本音と感情。

「こんな女でごめんね」
「雪乃が謝ることは何もない。オレは、ただ…」
「……?」

不自然に言葉を切ったオレを不思議に思ったのか、雪乃の目元を覆っていた手のひらが避けられたから、その手のひらを握り締め、隙を狙うように唇を重ねた。
今の感情をどう言葉にして、どう伝えたらいいのか分からない。
ただ、雪乃がどうしようもなく愛しくて。泣きそうなほどに嬉しくて切なくて感動して。少しは分かっているつもりだったのに、出逢ってからずっとオレに対してこんなにも深い愛情を抱いてくれていたのかと、本当はまだまだ分かってはいなかったと、驚きと感謝と幸せでいっぱいで。
不謹慎なのは承知の上で今、雪乃の記憶を失くしてよかったとまで、心の隅で考えるオレがいる。

「ごめん」
「……何が?」
「手加減出来ない」
「ふぇ?」
「愛してる、雪乃」

いろんな感情が溢れ返ってまとまらなくて止まらなくて、今はただ、その言葉しか伝えられなかった。


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