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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第15章 *File.15*(R18)


「これなーんだ?」
「……」

スッと視線をそらした雪乃の頬に、赤みがさした。

「水臭いじゃねえかよ」
「ぐっ」

わざと、だよね?
しまってるって!
本気で苦しいから!
じたばたしようにも出来ない!
空いてる手で、バシバシと班長の腕を叩く。

「昨日の今日で渡したのか?これ」

と、ネックレスを軽く振る。

「違う。もらったのは、景光の記憶がなくなる前」
「ご、ゴホ……ゴホッ、ゲホ…ッ」

腕が放されると、当然咳き込むわけで。

「大丈夫?」

雪乃が隣で、背中をさすってくれる。

「あ、悪ぃ。つい癖で入っちまってたか」
「……」

班長、ニヤリと笑ったその顔は、悪いと思ってる表情じゃないだろう?

「で、今まで黙ってた、と?」
「ゔっ」
「お前が照れ屋、なのは知ってるけどな」

班長が雪乃の頭をポンと撫でる。

「もーろーふーしーっ!!」
「タイミングが、さ」
「イイ歳して、どんな言い訳だよ」
「ごめんて」

三人の冷たい視線が痛い。

「あ!」
「「「「あ?」」」」

また、何か思い出した?

「班長にもお幸せにって、伝言頼まれてたの。こういう意味だったんだ」
「…誰から、だ?」
「萩原君。今日、夢の中で会ったの」

首を傾げる班長に、雪乃は笑顔で答えた。

「そうか。その伝言、ちゃんと受け取ったからな。ありがとよ」

班長は、今日一番の穏やかな表情で笑った。

「うん」
「ってか、クリスマスの奇跡じゃねえか?」
「景光の記憶が戻ったのも今日、雪乃が萩と会ったのも今日、だからな」
「萩原にはオレも会ったよ。記憶が戻る前に」
「でも途中で時間切れになったみたいで、話の続きを私が聞いたの」
「こういう言い方をしていいのかは分からないけど、萩原、元気にしてたよ」
「景光、雪乃、有難う」

ゼロがみんなを代表するように、穏やかな笑みを見せた。

「ちぇー。俺にも会いに来いっつうの!」
「陣平もきっと会えるから、大丈夫。楽しみに待ってなよ」

拗ねて唇を尖らせる松田に、雪乃が明るく笑って答える。


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