• テキストサイズ

*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第15章 *File.15*(R18)


「…萩原?」
「もう、心配することは何もないから、安心して目覚めな」

不意に真顔になる。

「えっ?」
「あと、雪乃チャンに伝言頼むわ。陣平と班長、そして諸伏、お前を助けてくれて有難うってな。俺はこっちでそれなりにやってるから、心配ご無用」
「…何を?」

それなりに?

「細かいことは気にするなって。それから……」
「萩原?」

彼の姿が忽然と、消えた?
まさかの、タイムリミット?

「えっ?萩原っ?!」

それから、の続きは??
確かに今の今まで萩原本人がいたはずなのに、慌てて辺りを見回しても彼の姿は何処にもない。
あるのはただ、何も無い真っ白な空間だけ。
現れるのが突然なら、消えるのも突然過ぎないか?

「ぐっ!」

またか!
さっきと同じ酷い頭痛に襲われ、オレは再び意識を失った。



「景光」
「!」

名前を呼ばれて、ハッと目が覚めた。
今度は心配そうな、不安に満ちた声音で。

「雪乃!」

呑気に倒れている場合じゃない!
立ち上がった弾みで掌から落ちそうになった何かを掴み直してから、掌を開く。

「!」

どう考えても、待たせ過ぎだ!
もう一度、この指輪を受け取ってはもらえるだろうか?
ゼロとの関係は進んでしまった。のだろうか?
不安を抱えながらもコートを羽織り、財布とスマホ、車のキーを掴むと家を飛び出した。
雪乃。
やっとキミと出逢ったあの奇跡の日から、キミと過ごした時間を全て思い出した。
今直ぐ、キミに逢いに行くよ。
ゼロの手から、キミの心ごと、全てを奪い返しに行くために。
雪乃、キミの不安も淋しさも辛さも弱さも全部さらけ出して。
オレが丸ごと全部受け止めるから。
オレの全てで、キミを癒したい。
許されるなら、もう二度と手放さないと雪乃、キミにもう一度誓わせて欲しい。
オレはただ雪乃、キミを愛してるんだ。


/ 221ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp