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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第14章 *File.14*


「工藤君。申し訳ないけど、君も知ってしまった限りは、約束は守ってもらうよ」

この極秘情報は、決して誰にも話せない。
死ぬまで墓場まで持って行く。
万が一の時は、命の保障はしない。
諸伏さん、降谷さん、松田さん、伊達さんの四人にとって、雪乃さんはそれだけ大切な人なんだと。
そう約束をした上で、秘密を聞いたんだ。
そりゃ、病院なんかで話せる内容じゃねえよな。

「もちろんです」
「ごめんね。貴方のこれからの長い人生に、重い物を背負わすことになったね」
「俺自身が知りたいと願って、約束も合意の上です。雪乃さんが、俺を気遣う必要はありません」
「…ありがと」
「それに…」
「「?」」

横に並んで座る二人が視線を一度合わせてから、そこで言葉を切った俺に視線を戻す。

「高校生の俺をそこまで信用してくれている、お二人の気持ちが、俺には凄く嬉しいですから」
「「!」」

二人は同じように驚いた表情を見せたが、

「…?」
「本当に、有難う」
「?!」

目の前までやって来た雪乃さんは、躊躇うことなく、そのまま俺をギュッと抱き締めた。
頭上から降り注いだ感謝の言葉が涙で震えていたから、俺はしばらく声を発することも身動きすることも出来なかった。


「一つ聞いてもいいですか?」
「オレが何時、雪乃に惚れたのか?だろう?」
「雪乃さんが、は、話の流れ的にも分かったので」
「眠っている雪乃が目を覚ました瞬間、かな?」
「それって…」
「一目惚れ、だったんだろうな」

ハンドルを握って前を向いたままだけど、彼の瞳が映し出しているのは街灯に照らされた暗闇ではなく、きっと出会った頃の二人。

「でもまだ…」
「まだ?」
「自分の生命を大切にはしてくれない、かな」
「普段から、覚悟してるってことですか?」
「ああ。何時もは、その気持ちを心の奥底に隠してある。だが、自分の身の回りで何か起こった時に、それが表面に現れる。自分は一度は死んだ身だから、もう死ぬのは怖くないってね」
「だから、松田さんと伊達さんを助け出した?」
「松田の時は誰にも相談せずに、たった一人きりだった」


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