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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第14章 *File.14*


「いらっしゃい」
「お、お邪魔します」

エプロン姿で、玄関先にお出迎え。
元々背が高くてスタイルがいいから、エプロン姿も様になってる。

「君とははじめまして、だね。工藤新一君」
「はい、はじめまして。宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しく」

先ず驚いたのは、俺に向けられた諸伏さんの穏やかな表情と、彼を纏う雰囲気が柔らかいことだ。
きっと今のこの彼が、本来の諸伏景光。
入院中に見たのは、公安部の潜入捜査官と言う立場である彼の姿だった。

「どうぞ」
「あ、はい。有難うございます」

足元に用意された、スリッパに足先を通す。

「おかえり」
「ただいま」

直ぐ真横では、恋人を通り越して既に新婚さんみたいな優しい雰囲気を纏う二人がいて、無性に照れ臭くなった。のは、黙っておく。


「うっ、まっ!」
「よかったね」
「そうだな」

三枚色違いの淡い色使いで花柄のランチョンマットが敷かれたテーブルの上に用意されたのは、ビーフシチューと焼きたてのパン。
一口食べて思わず声を上げた後、マジマジとビーフシチューをガン見した。

「店出した方がいいですよ!」
「…久々に言われたよ」
「私はクッキーだった、ね」
「ああ。話はコーヒーを飲みながら食後にゆっくりと、でいいかな?」
「もちろんです」

時間帯的に腹減ってんのもあるけど、何よりも先に、このプロ級に超美味いビーフシチューを堪能したい。

「おかわりもあるから、遠慮なく」
「有難うございます」

今は諸伏さんの言葉にあまえて、とりあえず俺は目の前の極上とも呼べる夕食を、腹いっぱい堪能することにした。


「……冗談でもウソでもない。んですよね?」
「ああ」

再確認するまでもない。のは、少し緊張感が漂う二人の様子で十分理解は出来ていた。
ただ、話の内容が、あまりにも俺の想像を遥かに超えたもの、だったから。
神妙な面持ちで言葉を選ぶように諸伏さんの口から語られた、雪乃さんの秘密。
そう、決して誰にも打ち明けられない、トップシークレット。
だから、初対面の時にコナンの姿の俺を見た瞬間に驚いていたし、彼らが俺の正体を知っていたのに知らないフリをしていたのにも納得がいった。


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