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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第13章 *File.13*


「真昼間から二人でいい香りをさせて、オマケに長らく伸ばしていた髭まで剃って、一晩で、一皮どころか二皮剥けて来たか?なあ、諸伏よ」
「「!」」

第一声がそれっ?
見事に景光のヨミ通り。
嫌な予感ほど当たる。と言うのが、セオリーで。
警視庁に着くなり、待ちわびたかのように此処へ呼び出された。

「面倒臭いから挨拶は抜きだ。酒井は、本日付で辞職した」

私と景光の反応を楽しげに堪能してから、本題に入る。
タチ悪っ!

「昨日の今日で受理したんですか?」
「断る理由もなかろう?」
「……」

チラリと視線が絡み合ったから、怖くて直ぐ様反らした。

「極秘扱いにはしてるが、やったことがやったことだからな。ズルズルと時間を引き延ばして、此処に置いておくわけにはいかんだろう。証拠は揃っている。起訴、するか?」
「いいえ」
「!」

キッパリと即答したら、景光が驚いた顔でこっちを見たのが分かった。

「何故だ?」

黒田管理官も、一瞬目を見開いた。

「若い彼女にはまだ先がありますし」
「し?」
「私には彼が、諸伏さんがいますから」
「ホー、愛か」
「!!」

ちょー不味ったかも。

「ごめん」
「構わない。事実だ」

小声で謝罪したら、景光は真っ直ぐに黒田管理官を見返した。

「やっと身を固める決心がついたか」
「「……」」

やっと?って何?

「公安の潜入捜査官としては降谷同様に申し分はないが、男としてはまだまだ青臭いな」
「……」

デスクの上に肘を付いて指先を組み、ニヤリと笑った。

「ん?何か言いたそうだな」
「さすが、お子さんが三人もいらっしゃったら、説得力がありますね」
「知ってるのか?」

管理官も私の事情を知る、一人だ。

「奥様がMI6のメアリーさん、長男はFBIの赤井秀一さん、次男はプロ棋士の羽田秀吉さん、娘さんは高校生で私立探偵の世良真純さん。ですよね?みなさんと面識はありませんが」
「くっ。酒井の代わりに、君が公安に入るか?」
「へっ?」
「?!」
「望月雪乃さん、君みたいな女性が此処にいたら、私が退屈しないですむだろう?」

その前に、メアリーさんにドヤされるのでは?
あの人、すっげー美人だけど、すっげーおっかない、よね?


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