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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第13章 *File.13*


「遅せぇよ!何時まで待たせんだ!!」
「?」
「雪乃がラチられた!」
「?!」
「早くしねぇとヤバいから、着いて来い!」
「待て。現場は、此処から近いのか?」
「んなわけねぇだろ!」
「車を出すから乗れ」

街灯がない、暗い陰から気配も無しに姿を現した彼がいる此処は、警視庁だ。


「どういうことだ?」
「ってか、俺のことはいいのかよ?」
「雪乃の知人、なんだろう?」

助手席に座って的確にナビをする、学ランを着た、まだ高校生の彼。
何時、雪乃と知り合った?
何故、オレが警視庁にいると知っていた?
ん?
ふわりと匂った、彼の?
以前、何処かで……。

「まあな。偶然俺が見かけたのは、路地裏。その時にはもう気を失っていた」
「……」
「今は知り合いに見張ってもらってる。あ、これ雪乃のスマホだろ?」
「ああ。有難う」
「原因はアンタだぜ」
「オレ?」
「リーダー的な男が女と電話してたからな。多分、その女の指図だ」
「……」

心当たりは、ある。

「その女、アンタと同じ潜入捜査官じゃねえの?」

オレの警察官としての立ち位置すら、知っているのか?
ならば、今更隠しても仕方がない。

「恐らくオレの直属の部下、だ」
「雪乃のことを調べたんだな。女の執念は恐えからな」
「そう、だな」

だから、態度があからさまになった。か。

「その廃屋ビルだ」

すぐ近くの駐車場に車を停めると、二人で廃屋ビルへ侵入した。


「サンキュな、寺井ちゃん」

場所は最上階、部屋は右から三番目。
男は三人。
彼の仲間からの情報だ。
三人なら、一人でヤレる。

「俺も行くぜ」
「……分かった。頼む」
「ああ」

彼のその瞳からはとても高校生には見えない、力強く頼もしくもある、雪乃を助けたいと言う本気さが伝わって来る。
何故か、信頼出来た。
不思議な男だ。
雪乃との関係は、後で聞けばいい。
きっと彼もそのつもり、だろうから。


「話に聞いてたより、上玉じゃねえか。俺にも後でや……ぐわあっ」
「ヒュー」

彼と視線を合わせて頷いたのが、合図。
ドアノブを蹴り飛ばしてから、見張りに立っていた男を渾身の力を込めて殴り飛ばす。
汚い古びたベットの横に立っていた男は、二発殴り倒れた。


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