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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第12章 *File.12*(R18)


「ハア」

仕事から帰って来た景光の衣服からたまに香る、女の匂い。
それは何時も同じ。
分かってる。
警視庁公安部の捜査官にも、女性がいること。
黒の組織と決着がついた後、怪我をしてしばらく入院してた景光に、一度だけ訊ねたことがある。
『新しい部下はできた?』
って。
答えはYES。
あー、マウントしてるのはソイツか、と。
女の直感ほど当たる、怖いモノはない。
どうせ私は貴女みたいに生命張って、彼と一緒に仕事は出来ないわよ。
私の存在を知ってか知らずか、それは現在も続行中だ。
でも私は、とうとう見てしまった。
その女を。
恐らくホシの尾行中だったのだろう。
肩を並べるどころか、綺麗な彼女は心底嬉しそうに景光の腕を握り締め、笑顔で街中を歩いてた。
まるで自分の自慢の彼氏だと、すれ違う女達に見せびらかすように。
それが演技じゃないことに、景光自身は気付いてる?
陣平やゼロのことで、景光を相当ヤキモキさせてる?らしいから、私がとやかく言える立場ではないし、歳が歳だし、そんなことを素直に口に出来る可愛い女でもないことは自分でもよーく分かってるから、黙っとく。
諸伏景光がカッコ可愛くて仕事も出来て、中身もちょー素敵な男性だってことは誰よりも知っているつもり、だから。
こればっかは、仕方ない。
私のつまらない感情の我儘で、どうこう出来ることじゃないもの。

「ふぅ」

四日ぶりの休みの本日、久々に天気は晴れ。
二人分の洗濯物を干しながら、ため息を一つ洩らした。


「何してる?」
「んー、待ってた」
「言い方を変える。今度は何があった?」
「特に何も」
「とりあえず、乗れ」
「うん」


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