第11章 *File.11*(R18)
「……」
「初めてだな。もし妊娠したら、雪乃はオレの子供を産んでくれるかい?」
「絶対産むに決まってる!私と景光の子だもん!」
力が抜けて床に倒れ込む前に雪乃を抱き上げると、ナカから溢れた二人の愛液がトロリと太腿を伝い流れた。
「有難う」
即答と共に真っ直ぐに向けられた瞳は真剣な色を映し出していたから、雪乃の今の言葉に嘘偽りはないと確信出来た。
「景光は、いいの?」
「もちろんだよ」
順を追って。
に、越したことはないが、もしそれが現実になったら、オレはオトコとしての責任は取るよ。
きっと周りは煩い、だろうけどね。
まだ籍も入れていないのにって言われても、何時の日か雪乃にはオレの子供を産んで欲しいと思っているのには、変わりない。
だって、見てみたいだろう?
オレと雪乃の子供を、オレ達の子供を抱き締める、母親になった雪乃の姿を…。
「だったら、いい。ひ、景光?」
「うん?」
「いっ、一緒に?」
「改めて、何か困ることでも?」
脱衣場を素通りして風呂場に入ると、そのままバタンと扉を閉めた。
「えっ?だって…」
「恥ずかしがる雪乃も可愛いけど、たまにはお風呂もご一緒しませんか?」
「たまには、じゃない!」
「雪乃の気の所為だよ」
「私の気の所為じゃないし、可愛い笑顔見せてもダメっ!」
「もう遅い」
そう言うなりシャワーを捻ると、二人ともずぶ濡れ。
「「……ふっ」」
ずぶ濡れのまま、視線を合わせると吹き出して笑う。
「景光はズルい」
「オレはズルいオトコだよ」
きっと雪乃の想像以上に、ね?
「開き直って、どうするの?」
「何時何処に居ても、オレは雪乃をただ、愛したいだけ」
服を脱がせ掛けた手を止める。
「……お風呂出たら、ご飯」
視線を反らして、ポツリと呟かれた。
今は照れ隠しと、本音が半々ぐらいかな?
「了解」
ご一緒するのを、許してくれるらしい。
そういえば。
家に帰って来た時点で、お腹空いたー!のセリフを聞いた…。
のに、夕食を作り始めで中断してしまった。
もっとも原因は雪乃自身、だけど。
とりあえず、ごめん。
そう心の中だけで謝罪してから、もう一度、今度はお風呂で雪乃を抱いた。