第10章 *File.10*(R18)
「可愛い」
「も、いい」
「だって、ホントのことだし?」
「景光…」
ホントは雪乃を檻に閉じ込めて、誰にも見せたくは無いし、誰にも触れさせたくは無い。
そう、考えてしまうオレは、おかしいんだろうか?
「好きだ」
「…景光?」
「もう、オレの意思ではどうしようもないぐらいに」
「有難う」
ふわりと。
満面の笑みと共に伸びて来た腕は、オレをギュッと抱き締める。
「頼まれたって、嫌いになってあげない」
「…誰に?」
「ん?景光に?」
「バカだな、オレは絶対に雪乃を嫌いになんかならないよ。寧ろ、逆」
「逆?」
「これから先に何があったとしても雪乃、キミには他の誰よりもオレを好きでいてもらう」
誰にも譲らない。
キミの存在は、キミの魂はオレのもの。
余所見なんかさせないよ。
「うん。私も」
「だったら、安心だな」
額を合わせて笑みを零すと、唇を重ねた。
でも、朝まで寝かせないよ?
今日は我慢しないって、決めてるからね。
雪乃、覚悟しなよ?