第10章 *File.10*(R18)
「我慢しないって、約束を果たさないと」
「そっ、そんな約束をした覚えはありません!」
「ダ~メ。逃がさない」
「ちょっ、景光っ?」
両手首を片手で掴んで、もう片方の手で脱がし掛けている衣服を脱がしてしまう。
「人間、諦めが肝心。オレも雪乃に愛されたいし?」
「!」
上目遣いで睨む雪乃の目が、卑怯者!って言ってるけど、知らないフリ。
「仲直りしないとね。一晩かけて」
「それはムリっ!」
「ムリかどうかは、試してみないと分からない。よね?」
「絶対ムリだからっ!」
「はいはい」
ニッコリ笑うと、裸になった雪乃を抱えてお風呂場へと連れて行った。
「…あっ…ンっ、やっ…」
「気持ち、いい?」
「も、もっ…ンっ…」
「まだ、イカせ…ないよ」
「ひ、景光っ!」
更に深く繋がるように角度を変えれば、細い背中がしなる。
汗ばんだ白い肌が、純粋にキレイだと思う。
律動に合わせ、柔らかな胸も揺れる。
今の雪乃はまるで、彫刻みたいに。
或いは、清く美しい女神みたいに。
「雪乃」
「…っはぁ、はぁ」
肩で息をしながら固く閉ざされたままだった瞼が震え、ゆっくりと瞳が開かれる。
「!」
「っ!」
雪乃が息を飲んだと同時に、繋がったままのナカがきつく締め付けられて、オレも反応せずにはいられない。
それから視線が合う間もなく顔を反らして、またギュッと目を閉ざす。
「顔見せて」
「ヤダって、何時も言ってる」
「恥ずかしい、から?」
「…それもある、けど」
「けど?」
「景光が…」
「オレ?」
思わず自分を指差す。
「…お色気全開で、セクシー過ぎて見てらんない」
「くっ、くくくっ」
まさかの返答。
「景光は自分がどれだけイイ男なのか、全然分かってないっ」
「お褒めいただき、有難う。でもそれは雪乃、キミにも言えること、だけど?」
「へっ?」
「今の雪乃こそ、お色気全開でとても綺麗だよ」
「!!」
こちらに向いたキョトンとした顔は、一瞬で真っ赤になって、両手で隠してしまう。