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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第10章 *File.10*(R18)


「オレのことは、忘れるのか?」
「他の誰かを好きになって、忘れる。そうしたら、私も景光も何も辛くない。この世界で、また一から幸せになれるでしょ?」

そんなこと、簡単に出来るわけがない。
オレも、雪乃自身も。

「キミがいない未来なんて、もう考えられないよ」
「これ以上、私が傍にいたら、景光は私一人に心も生活も振り回されて、疲れるだけじゃないの?」

ほら。
何時も自分のことは、自分の感情は後回しで、こんな状況の今でさえ、自分よりもオレのことを先に考えてる。
キミから聞きたいのは、そんな辛くて哀しいセリフじゃない。
こんな日を迎えるために、長い間、離れていたワケではないだろう?
出逢ったあの頃よりももっと幸せになれるように、少しでも安心して生活が出来るように、そう願って今までお互い我慢をして、耐え忍んで来たんだろう?

「雪乃」
「なに?」
「オレは雪乃を愛してる。何時だって、何があってもキミだけを。もうキミ以外の誰かを好きになんかなれないよ。自分のことよりもオレの幸せを最優先に考えてくれる優しい雪乃を、愛さないワケがない」
「……」
「ずっと、ゼロとのことに嫉妬してた。彼の言葉でそれが爆発した」
「……」
「で、結果的に雪乃を傷つけた。ごめん。愛想を尽かされるのは、オレの方…雪乃?」

伸ばされた雪乃の左手が、そっとオレの唇を塞いだ。

「優しいのは、景光の方でしょう?私は誰よりも景光を愛してる。どうしたら、信じてもらえるの?」
「信じてるよ」

お互いのこの想いだけは何があっても揺らがない、たった一つのものだ。

「ゼロと陣平のことは、今更嫌いになんかなれないよ?それでも?」
「いいよ、それで。二人を嫌いになったら、雪乃が雪乃ではなくなってしまう」

これは、本当。

「もう、ヤキモチは妬かない?」
「それは、無理かな?」
「…バカ」
「こんなオレは嫌い?」
「大好きよ。さっきはキライだなんて言ってごめんね」
「言わせたのは、オレだよ。だから、今から雪乃の全てを愛し尽くしていい?」
「えっ?」
「一晩中、オレのことしか考えられないように」
「…えっ?」

あからさまに頬が引き攣るのを見るのは、中々楽しいもんだな。
雪乃本人には絶対言えない、けど。


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