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桔梗の花言葉

第2章 シキミ


「夏目殿。お久しぶりでございますな。」

「この間は名前を返しそびれて悪かったな。三篠。力を貸してほしいことがある。少し付き合ってくれ。」

三篠はゆっくりと目を閉じ「宜しい。」と返してくれた。
よしこれで解決への糸口が見える。

「夏目?三篠様の名を呼んだの?」

大きな三篠の陰に隠れ気がつかなかった。さんが様子を伺いながら三篠から降り近づいてきた。

「おぬしが最近夏目の物好きと仲間か。」

「にゃんこ先生。彼女がさんだよ。この今はちっちゃいけどこれがにゃんこ先生だ。」

初対面であろうにゃんこ先生とさんに紹介をする。三篠様を崇拝している彼女なら一緒にいることに驚きはしないが、まさか一緒に飛んできてしまうとは。
面倒ごとに巻き込んでしまうかもしれない。

そう考え込んでいる間ににゃんこ先生とさんはお互い品定めをするように見つめあっていた。つまりにらみ合っているのだ。

「まぁいいわ。それで夏目はなぜ三篠様をお呼びになったのかしら。名前を返す気になったとか?」

さんのが大人みたいだ。

「いや、」

正直に言うには気が引ける。話してしまったら迷惑をかけることになる。言い淀んでいると

「冗談よ。何か力を貸してほしいって言わなかった?三篠様もそれにお答えになったから私も連れてきてくださったのでしょう。」

さんのが大人だ。言い淀んでいる俺を理解して話しやすいようにバトンを渡してくれた。
自分の事情に人を巻き込むのは気が引けるが、なんだろうさんにも聞いてもらいたい。信頼したいと思った。
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