第2章 ヴァンパイアパロ2
そのまま半ば強引にカフェに連れてこられ、今に至る。
一応名目は“捜査”らしい。
しかし、メニューに瞳を輝かせる姿からは、単に小腹が空いたけど一人で喫茶店に入るのもちょっとアレだし偶然会った私を巻き込むぜケセセ! ……に見える。
「で、一体私はなにを聞き込み捜査されるんですか?」
嫌な予感がしていた。
一刻もここを、この男のそばを離れろと本能が告げていた。
私は彼が苦手なのだ。
というのも――
「なんかカッカしてねーか? また王と喧嘩したのか?」
「エリザさんにお泊まり会誘われたんですけど、ダメって言われて……」
「相変わらずの過保護兄貴だなぁ」
「そういうギルベルトさんはいいんですか? まだ勤務中では? 弟さんに怒られますよ」
「ケッセッセ! 今も捜査中だぜ!」
高らかに笑うギルベルト。
もはやなにも言うまい、と思ったが、その笑みに少しの無理が見えた。
そういえば、彼は何ヵ所か包帯をしている。
まるで、取っ組み合いの喧嘩、保健室、を経た男子小学生のようだ。
左手、首、右足、見えるだけでも3ヶ所。
彼の捜査が原因のものだろうか。
、、、、
そう考えると同時に、彼の狙いに――ある考えに気づいた。
まさか、こいつ――っ!