第3章 優しく愛でて、甘く溶かして
言われた言葉を、何度も頭の中で反芻する。
「それ、何の顔?」
頭が回らなくて、停止する。
「……今、パニック、です……」
「そうか。じゃ、俺は先に進ませてもらう」
「へ……ちょ、まっ……ぁっ!」
私を見ていた視線が外され、胸を手に包まれ、もう片方は先端を口に含まれた。
体をビクビクとさせながら、舌の感触に翻弄される。
両指で両方の胸の先端を刺激されながら、唇は下へ下へと下りて行き、おヘソの周りにキスをされて、くすぐったさに身を捩る。
愛撫までもが優しくて、こんな扱い受けた事がない私には、全てが初体験でくすぐったい。
「やっ、やだっ! そんな、とこっ……んんンっ……」
脚の間に顔が埋まって、舌が下着で隠されていた場所に這う快感に体を震わせた。
「わかっ、さっ……ダメっ……やぁ……」
何も言わずに、下着越しに秘部の割れ目をなぞる舌、指が突起を弾くと体が跳ねる。
指の腹でクリクリと転がされ、舌がゆっくり中へ入ってきて、声が出る。
静かな部屋に、自分の口から我慢出来ずに出る高い声と、啜られ、弄られる度に聞こえる、いやらしい水音が耳を犯していく。
体が燃えるみたいに熱くて、その熱を逃がしたくて必死に息をする。
「何処がいいか、ちゃんと言え」
「そんなっ、こと……言われて、もっ……」
今までずっと男の為に、男の好きなようにしてきたから、こんなにも丁寧で、労るような愛撫なんてされた事も、ましてや聞かれた事すらないから、戸惑ってしまう。
自分で何処が“いい”場所かなんて、考えた事はなかった。
「分かんねぇ?」
「された事っ、なぃ、からっ……」
「……は?」
目を丸くした若狭に苦笑しながら、今までずっとこんなにも大切にされた事がないと伝える。
貴方が、一番私をちゃんと見て、優しく、大切にしてくれたんだと。
怒ったような、でも少し嬉しそうな顔で、私の膝裏を持って内腿部分に口づける。
「んっ……ぁ……」
「なら、グッズグズになるまで、甘やかしてやる」
この人は本当に罪作りだ。
もうとっくにそうなってるのに。
言葉通り、その後は長い事体中を愛撫され、もうたまらなくて、私の方が限界だった。
脚を開かされ、息を吐く若狭が色っぽくて、喉を鳴らす。