第2章 仕事開始
そう言ってクアッと欠伸をする凪。
『あなたは上手くなるためにここに来たんじゃないの?』
「別に…、見れば出来ちゃうし。
練習とか面倒くさい。練習なんて弱い奴のやることでしょ?俺はそんなことしなくても強いからいいよ。
サッカーって面白いの?」
また目を閉じて寝ようとしている彼に声をかけるも、返ってきた言葉は想像と違った。
つまらなそうに話す様子に堪らず声が出た。
『凪はサッカーを始めてどのくらい経つの?』
「んー…半年…くらい…?」
『たった半年でサッカーの面白さ決めるなんて早すぎると思わない?』
そう言うと凪はまた面倒くさそうに私を見た。
『サッカーやってる人なんてどれだけいると思ってるの?
ここに集まってる皆はその中でも選抜された才能ある人。もちろん凪もね。
確かにめちゃくちゃサッカーは上手いかもしれない。でも自分より上手な人はたくさんいる。
下を見たって意味ないし、つまんなくない?…それに、案外ドハマり出来るくらいのプレイヤーにこの先出会うかもしれない。
…ほら、考えただけでちょっとワクワクしない?』
「…意味わかんない…。そんなの感じたことないから知らないし。
っていうかさっきから俺の名前呼んでるけど、あんた誰。」
長々と話をされて少しイラついている様子。
『あれ、一応自己紹介させてもらったんだけどなあ…。
私は…』
「凪…!!!」