第3章 一次選考
もう勝ちが確定して喜んでいるチームXを横目に潔と蜂楽が何か話してる。
諦めてるような雰囲気じゃなくて、…寧ろ点を取りに行きそうなそんな感じ…。
『…あ…。』
蜂楽が私に気付き目が合う。
すると一瞬こちらに笑いかけてまた潔へと顔を向ける。
「1点ならいけるかも、俺と潔で。
相手も気を抜いてるし、縦ポン一発でお前が決めろ。
陽菜ちゃんも見にきてくれたことだし、点取らないとダサいよねっ俺たち。」
「おう…って小城さん…!?
来てたのか…。ていうか蜂楽お前いつの間に名前で… っ!」
潔もこっち見た。
そして何か潔が蜂楽に何か言ってるようだけどここからだと何も聞こえないな…。
ピィー
そうしているうちに試合が再開。
時間的にもこれがラストプレーかな。
「ドンピシャ!」
潔と蜂楽がパスで繋ぎ、潔が1対1の状況までもってきた。
「おい11番。俺より目立つな。
王様(キング)は俺だっつってんだろが。
抜いてみろ下手糞。」
馬狼照英…。そうかXは馬狼がいるチームか。
今までの点はきっと馬狼が決めたんだろうな。
潔の前に回り込んだ馬狼。
正直あの馬狼を抜くことは極めて厳しい…。
どうする潔…!