第10章 夏休み
いきなり小さい手がわたしの手を軽く握ってくれた。
ちびうさちゃんよりも少し大きな手。ほたるちゃんだ。
「不安になるかもしれないけど、きっと大丈夫です。」と優しく微笑みかけてくれた。
わたしはほたるちゃんの手を握り返し、ありがとうと笑顔で言う。
そんな中、美奈子ちゃんの声だけがホームに響く。
「あ〜あ。スリーライツがここに居てくれたら、車内も楽しめたのに。」
その言葉に皆が苦笑する。
星夜君、大気さん、夜天君の三人は、ドラマの撮影やキンモク星に一時帰還する為に今日は来られない。
「お土産話がお互い出来るといいね。」
うさぎちゃんの言葉に美奈子ちゃんは寂しそうに頷く。
そして、時間になり電車が来たのでそれに乗って、わたし達は目的地の米花駅まで向かうのだった。