第20章 白石蔵ノ介と幼い妹2
おつかいに戻った涼子はまた呑気に歌を歌いながら魚屋まで歩いて行く。
「shake shake shake shake shake shake!帰しゃないよ〜帰らないで〜!shake shake shake shake shake shake!お嫁においでよアイラブユ〜!!」
謙也「なぁ?アレ何の歌なん?幼稚園で歌ってる歌やあらへんよな?」
白石「あぁ…前にカラオケスナック行った時に覚えたらしいんやけど…」
謙也「カラオケスナック?なんでンなとこに涼子ちゃんが行くねん??」
白石「前に海外に住んどるオカン側の曾祖父さんが来たんやけど…その曾祖父さんが涼子ちゃんを年寄りの娯楽ツアーとか言うて年寄りに人気のカラオケスナック行ったらしいねん。」
謙也「なんや…随分と陽気な曾祖父さんやな?」
白石「せやろ?………ん?涼子ちゃん、どないしたんや??」
謙也「え??」
コソコソと隠れながら話していたのだが、なにやら涼子の様子がおかしい。
「あれ?あれ??お財布は??」
どうやら財布を確認しようとしたらどこに入れたのか分からなくてなって困っているようだ。
「ゔっ…どうしよう……タコしゃん買えない……」
泣きそうになっている涼子を見ていられず白石は涼子の元へ駆け付け涼子を抱き上げた。
白石「涼子ちゃんっ!!」
「……う?」
白石「どないしたんや??泣きそうな顔して…お兄ちゃんが来たからもぅ大丈夫やで?」
「うっ……うぎゃー!!知らないおじしゃんだー!!」
涼子には変装した白石が知らないおじさんに見えたのである。
白石「えっ!?違っ…お兄ちゃんやで??」
「知らないー!!お兄ちゃんちやうー!!おじしゃんなんて知らないー!!」
白石「いやっ…だからおじさんやないんやって!」
「ぎゃー!!いやー!!あっち行けー!!人攫いー!!」