第3章 保健室の貴公子【そらる】
自分でも無意識にそらるをジッと見つめたいたらしく、何と冷たい目線を向けられる
『いや、ごめん。綺麗な顔してるな~って思って』
「ふーん?もっと近くで見る?」
『え?』
ぐいっと腕を引っ張られ私は重力に従って引き付けられる
そうすれば自然とそらるとの距離は近くなるわけで交差する視線にドキッとする
「ねぇ顔、赤いよ?」
くすくすと笑うそらるに頬はさらに紅潮する
離れようと後ろに背こうとするも、また引っ張られてさらに距離が近くなる
「あ、また赤くなった」
『わざわざ言わないでいいから..!』
耳元で呟かれる言葉に私の身体は反応してさらに熱くなる
妙に色気のあるイケボで囁かれて赤面しない人がいるなら是非とも知りたい
ついにこの空気に我慢できなくなって両手で私の全力をt勝手そらると距離をとる
『まじで!心臓に悪いからやめよ?』
「え~?反応可愛いのに」
『かわっ...!?』
こんなこといろんな女の子にやってたらもうやばいってホントに
勘違いしかねない女の子いっぱいでてくるって
『こんなこといろんな子にやってたら勘違いされるよ!』
「花子は勘違いしてくれないの?」
『っえ』
綺麗な青い瞳は少しばかり潤いと熱が感じられる
そんな瞳で見られたら
『勘違い、しちゃうじゃん』
俯いて誰にも届かないような小さな声でつぶやく
「いいよ。勘違いしてよ、寧ろしてもらわないとここまで俺がした意味なくなるんだけど」
その言葉に顔を上げた
目線の先には困ったような顔をしたそらるがいた
『どういう?こと?』
混乱した頭を落ち着かせながらもいまだその言葉が理解できなくて聞き返す
するとそらるはため息をついて呆れ気味にこちらをみた
「なんで伝わらないかなぁ」
そう零して一度天を仰ぐと先ほどとは打って変わって真剣な顔つきになって口を開いた
「花子が好きなんだ、付き合ってほしい」