第3章 保健室の貴公子【そらる】
「......誰。君」
保健室の貴公子
この桜高等学校にいれば一度は耳にする言葉
私もあまり詳しい詳細は知らない
やっぱ人間の好奇心って抑えられなくて
休み時間に保健室にその真相を確かめに来た
『しつれーしまーす』
タイミングがいいのか悪いのかわからないが保健室の養護教諭の先生は不在
すたすたと保健室の奥にあるカーテンの閉められたベットに近づく
躊躇なく開くと黒髪の青年がいた
そして冒頭の会話に戻る
「で、誰なの君」
『保健室の貴公子って本当にいたんだ!』
「ト〇ロみたいに言わないで」
きちんとノってくれる当たり高得点
この人が何故"保健室の貴公子"って呼ばれるのか分かった気がする
真っ黒でふわふわとした柔らかそうな髪の毛
星空を集めたような青くきれいなブルーの瞳
不健康を疑うような肌の白さ
綺麗な輪郭で囲まれた顔
「え、急になにきも」
割と辛辣だけど
『いや、保健室の貴公子ってこんな見た目なんだなぁって思って』
「あそう」
辛辣に加えて興味なしっと
俗にいう無気力猫系男子を具体化したような人ってことか
世の中の女子はこういう人がタイプなんだ.....
私には理解しがたいって言いたいとこだけど私もそういうの大好き
「で、君誰なの」
『あ、田中花子です』
「ふーん。俺は一ノ瀬彼方。そらるって呼ばれてる、よろしく」
『そらるくんか、よろしく』
「そらるでいーよ」
なんかよくわかんないけど保健室の貴公子と知り合いになった
てか名前知ったら友達じゃない!?
「....花子って何組なの」
『私は二組だよ』
「へー一般クラスか」
自分で聞いておきながら興味なさそうにそう言い放ちベットに倒れこむそらる
興味ないなら聞くなよ
『そらるは?』
「俺は一組」
一組ってたしか
『え、特進クラス!?』
「そんな驚くことか?」
そんな驚くことでしょうが
だって特進クラスといえば全国模試で絶対に30位以内にいる人たちでしょ!?授業の進むスピードも尋常じゃない程早いって聞くし....
てか思うけど特進クラスの人たちって人間じゃないよね(人間です)
そういえば特進クラスの王子ってあだ名の人もいた希ガス
あれもそらる説あるよね.....ないのかな......いやでもありそう