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【ヒロアカ】19Hzの瞳孔

第4章 個性把握テスト、戦闘訓練



逆立った髪が、相澤先生の心情を表すようだった。

「見たとこ…個性を制御できないんだろ?また行動不能になって、誰かに救けてもらうつもりだったか?」

「そっ、そんなつもりじゃ…!」

「どういうつもりでも、周りはそうせざるをえなくなるって話だ」

首にマフラーのように巻かれた布で、相澤先生は緑谷を捕縛した。


「昔、暑苦しいヒーローが、大災害から一人で千人以上を救い出すという伝説を創った。」

エマは、彼とウマが合わないと語っていた保護者の姿を思い出していた。
…私も、合わない方かな。


「同じ蛮勇でも…おまえのは一人を救けて木偶の坊になるだけーー緑谷出久、お前の力じゃヒーローにはなれないよ」

言い放つだけ言い放ち、相澤先生は目薬をさしていた。
…どっちに転んでも見込みはない。

「見込みゼロ…」



相澤から指導を受けた緑谷は、ブツブツ呟きながら円の中に戻る。
麗日は、どこか恍惚とした表情でその緑谷を見つめるエマを見ていた。

「今、僕に出来ることを‼︎」

『SMASH‼︎』


先程の弾道とは明らかに違う。
計測器の数字はーー705.3mと示していた。

力任せの一振りじゃなく、指先にのみ力を集中させたのか…‼︎


「先生…!まだ…動けます。」

「こいつ…!」

エマは満足そうに笑みを浮かべながら、緑谷を見つめていた。

彼女が小さく呟いた、「嗚呼…いいなぁ」という声を聞いていたのは、近くにいた青山だけだった。


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