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【ヒロアカ】19Hzの瞳孔

第6章 USJ


ドガっという鈍い音。


「かはっ…」

防御が間に合わなかった。
完全無防備‼︎

脳無の重たい拳に肋骨がミシミシと音が鳴る。肺に骨が刺さったか、口に血が上ってきた。

「しくったかなあ…」

そのまま視界が暗くなる​───────。




「エマちゃん‼︎‼︎」

耐えきれず、緑谷は隠れていた水辺から飛び出した。
エマちゃん、救けて逃げて…‼︎

「脳無」

「SMASSH──‼︎」

今まで骨も筋肉もボロボロになる諸刃の剣だった。
憧れのヒーロー・オールマイトの必殺技。

計画性も何も放り投げて、ただ救けるための一撃だった。



折れてない‼︎?
力の調整がこんな時に‼︎やった…

と、少しの希望に顔を上げた。


「え……」

緑谷の目の前に映っていたのは、何ひとつ傷のない、おぞましく黒い巨躯。

効いてない…⁉︎

緑谷の脳裏には、先刻まで一緒だった蛙吹の言葉がよぎった。
『殺せる算段が整ってるから、連中こんな無茶してるんじゃないの?』



​───────

「いい動きをするなあ…スマッシュって、オールマイトのフォロワーかい?」

ニヤリと、膝立ちしていた死柄木が立った。


「厄介だったけど、本来の量の半分も俺に盛れなかったんだろ。まだ痺れるけどもう動ける。」

脳無の、死柄木の、恐ろしい魔の手が緑谷たちの眼前に迫って、逃げ場はもう無い。無かった。

ここにちる全員、死ぬ───…



途端、バアンと、USJの扉が大きく吹っ飛んだ。

「もう大丈夫、私が来た」

平和の象徴、最高で最強のナンバーワン。
オールマイトその人である。


「オールマイトーーー‼︎」

「あーー…コンティニューだ」


死柄木は不気味に口角を上げた。

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