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【ヒロアカ】19Hzの瞳孔

第4章 個性把握テスト、戦闘訓練


ーー第一種目:50m走


「7秒02!」

緑谷出久は、非常に焦っていた。

入試で出会った麗日さん、飯田くんは勿論、まだ話したことのないクラスメイトらも”個性”を活かして普通じゃない記録を出してくる。

対して、一度使えば身体が壊れてしまう力…調整はまだ出来ない!



「ーーずくん、いずくん。」

「ヘッ、エマちゃん⁈ーーっその、顔近い…!」

心配そうに覗き込んでくるエマちゃん。
唇が触れそうなくらい近い距離…いい匂い…。

その距離のまま、白い手がすっと頰に添えられて、もう火が出そうなくらい顔が赤いのが自分でも分かる。



「顔色、悪かったから。大丈夫?」

「だ、大丈夫‼︎」

「そっか。相澤先生、怖い人だね」

「そ、そうだね」

「でも君なら大丈夫だよ。ーーいずくんは、きっと成功する」


その覚えがある台詞に、「エマちゃんそれ…」と言いかけたが、当の彼女は話したいことを話して満足したようだ。

スタスタ歩いて行ってしまい、仲良くなったらしい麗日さんと談笑していた。



そういえば、エマちゃんが走るところ、見れなかったな。




第二種目:握力ーー…。

「卵が…爆発しないイメージ…」

オールマイトとの会話を思い出す。100%で爆発したように壊れる自身の体。
「電子レンジに入れられた卵のような…」と、自身で形容した力。


ぐっ、と力を入れようとしたと同時に、入試で初めて個性を使い、ボロボロになったことを思い出した。



ピピッ、と鳴った計測器の数値はーー…56kg。



ーー
「すげぇ‼︎」

声の方を見ると、口元がマスクで隠れた、複数の手がある長身の生徒が囲まれていた。

「540キロって‼︎あんたゴリラ⁉︎タコか‼︎」

「タコって、エロいよね……」



その直後、バキッと音がして、全員がその方向を見た。

エマちゃんの計測器の持ち手の部分がバキバキに折れていた。


「相澤先生、壊れました。」

「…見りゃ分かる。」

「どうすれば?」

「そこ置いとけ」


「はい」と返事したエマちゃんが、壊れた計測器を置きに行った。



「エマちゃん、凄‼︎なんの個性なん⁈」

「ひみつ」

麗日さんの快活な声が、今はなんだかすごく居心地が悪かった。









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