第7章 変わって行くもの
その後も奴が怖がると分かっていて、無理やり奴を天主の廻縁で抱いた事もある。
『いやっ、怖いっ、お願いですっ、やめてっ!』
『恐怖でも女の体は締まるのか、いい事を知った』
『っ、信長様、本当に怖いからっ、お願いですっ!』
俺に突かれながら必死に抗う紗彩は、手を伸ばして俺に力の限り抱きついて来た。
ドクンッ!!
『………っ!』
不本意にも、奴のその行動で胸が大きく跳ねた。
奴から俺に抱きついただけと言うのに、心の臓が大きく跳ねて体の血肉が湧き上がる。
こやつが俺に抱きついているのは俺を思ってのことではなく、ただ恐怖で我を忘れているだけだ。
なのに…
『紗彩』
俺の腕は正直に奴を抱きしめ返した。
華奢で折れそうな紗彩の背中は震えている。
(それ程に、怖いのか…?)
奴と向かい合う形で抱き合い、そのまま奴を持ち上げて部屋の中へと移動した。
白くて細い肩に、絹のように細くて柔らかな髪がかかる。
(俺のものだ)
心の中でそう唱えて奴の震える肩に唇を押し当てる。
(貴様は俺のものだ)
これほど何かに固執した事はない。
『ぁっ!』
抱き合ったままの体勢で紗彩を下から突き上げる。
恐怖で引き攣っていた顔は俺によって与えられる快楽により苦悶の表情へと変わっていく。
紗彩が俺を感じていると思うだけで、己の楔が痛いほどに張り詰める。
『っあ、……っ』
滑らかな肌がしっとりと濡れて、白い肌は月明かりの下艶かしく光り輝く。
赤く濡れた唇を食べたい衝動に駆られるが、顔を近づければ奴は俺の肩に顔を埋めそれを阻止する。
身体は許しても心はやらぬと言われているようで、俺の胸の内は感じたことのない渇きに襲われる。
『くっ、……』
渇きは、奴を征服する事で癒す他ない。
『あぁ、…ぁ、、、』
必死で俺にしがみつき絶えていた紗彩の体が緩んで落ちるまで、俺はそれに気づかず奴の華奢な体を揺らし続けた。
………そして今もまた奴の体温を感じたいがために、奴の弱みにつけ込み抱きしめている。
(姑息だが…それで構わん)
いつか必ず、貴様の全てを俺のものにしてみせる………!