第1章 私の好きな人
沢山の人を殺めたであろう無骨で大きな手が私の体を抱き上げ更に深く突き刺した。
「ひぁっ、あぁっ……!」
「いい声で泣く。俺が、そんなにもいいか?」
「ぁっ、はっ、はい、いいです、ぁ…」
「ふんっ、貴様は嘘をつくときだけ口を開く。可愛げのない女だ」
そう思うのなら、抱かなければいいのに…
「あっ、…あぁ、」
でもそんな事を言えばまた怒らせてしまう。
こんな生活、いつまで続くんだろう…?
こんな、五百年も過去の戦国時代に来たのも、好きでもない男に抱かれ怯える日々を過ごすのも、全てはあの人のため。
「考えごとか?余裕だな」
「え?ちがっ、はぁっ、ぁあ……っ!」
最奥を突かれる感覚……
「それ…やぁっ!」
「貴様の好きな所であろう?…くっ、みろ余計に締まった」
「やっ、、あぁっ、お願い……変になっちゃう……あっ、ああっ、」
「構わん!余計な事を考えず俺に堕ちよ」
「ひぁっ……っ!」
意識は、ここで途切れた。
・・・・・・・・・・
「………ん」
目覚めれば天主の信長様の布団の中。
「あ、また意識飛ばしたんだ..」
ブルっと寒気が走り、布団の中の自分はまだ裸なのだと分かる。
信長様は、いつもの事だけどもう部屋にはいない。
日もかなり登っているから、もう昼に近いのかもしれない。
だる重い体を起こして投げられた襦袢を手に取った。
「痕…せっかく綺麗に無くなったのにまたついちゃった……」
戦で留守の間にほとんど消えていたキスマースは、昨夜にまた何ヵ所にも付けられ私の気を滅入らせる。
「早くしないと、信長様が戻ってきちゃう」
出来れば会いたくない。
立ち上がろうとするとガクンと膝が折れた。