第1章 私の好きな人
「………っ、、」
(怖い…)
手の震えが止まらない。
でも、湯浴みにも連れて行かれると思ったから、それだけでも回避できて良かった。
(もう怒らせないようにしないと……)
湯浴みから戻る前に天主にいなければまた機嫌が悪くなるから、急いで信長様の部屋である天主へと向かった。
・・・・・・・・・・
天主で待つ時間はあまり無かった。
「脱げ」
襦袢一枚で褥の上に胡座をかいて座った信長様は、私を前に立たせ着物を脱ぐように命じた。
「……はい」
着物の帯に手をかけ解き始める。
「遅いっ!」
「あっ!」
信長様は帯を解こうとしていた私の手を乱暴に掴んで引き寄せると、力任せに帯を解いて着物を剥ぎ取った。
裸で立たされ視姦される。
「……っ、」
恥ずかしいけど、手で隠せばまた機嫌が悪くなることを知っているから、私は唇を噛んでこの時が過ぎるのを待つ。
「ふんっ、誰にも触れさせてはおらんようだな」
私の胸からお腹に手を滑らせて、信長様は呟いた。
「っ……」
お腹にあった手は下へと滑り落ち割れ目に触れた。
クチ…
「もう濡れておるのか?淫らな女だ」
お気に召したのだろう。
更に口の端を上げた信長様は私を横抱きにして膝の上に乗せた。
「んっ……ぁ」
グチュ、グチュ、と長い指が私の中を掻き混ぜる。
「いやらしい音だな…そんなにも、俺が恋しかったか……?」
「……はい。…ぁっ」
「ふっ、相変わらず嘘が下手だな」
「………!」
また怒らせたのではと、ビクッと体が震えた。
「……まぁ良い、そのまま黙って抱かれていろ。久しぶりだからな、手加減はしてやれんぞ」
私の中から指を抜いた信長様は私を褥に寝かせて自身の襦袢を脱ぎ取った。