• テキストサイズ

おとぎ話の続きを聞かせて【イケメン戦国】

第9章 ぬくもり



完全に女を娯楽の道具としてしか見なくなったのはあの時からだ。手練れた女たちとの戯れはそれなりに楽しく嫌なことを忘れられた。だが一人の女で長期間それを紛らわせる事は不可能で、一二度寝て、その手管が分かればその次へと行く。女などその程度のもので良かった。

こんな、


「 っ、あっ……」 

「くっ、紗彩 っ、」

挿れただけで己を失いそうになる女は他に知らない。


「あっ、…!」



女を酷く征服する様に抱きたくなる日は決まっていた。戦で数え切れぬほどの命を奪った夜や、俺を産んだあの女に会った夜だ。

「あっ…っ、ぁっ、」


無抵抗な女の体を押さえつけ、欲望のままに動き吐き出す。もう許して欲しいと何度懇願されても、心の内に溜まったものを全て吐き出すまでは止められなかった。


「はっ、…ぁっ、…っ、」

紗彩も同様に、俺を楽しませる道具として抱いて来た。……いや、抵抗した分、他の女たちよりも手荒に力づくで強制的な快楽を与えてきた。


「あっ、あぅっ!」


だが今は、こんな抱き方をしたいわけじゃない。

頭では分かっているのに、紗彩の華奢な体が艶かしく揺れると、それに煽られるように腰が動く。


もう衝動は止められそうにない。
そんな事は分かっていた。


(くそっ、)

奴を壊したくないのに、深く突く度に漏れる紗彩の嬌声が俺の欲を更に掻き立てる。

これでは、一度や二度欲を放ったくらいでは鎮まらない。

「っ、紗彩、まだ俺の理性が効く今の内に部屋を出ろ!」

己の腕だけがかろうじて紗彩を腕の中に閉じ込めることをためらっている。

まだ、奴が逃げれば止められる。

もう、奴を征服するように抱かぬと決めている。
身体中に傷を宿し、心にも傷を負う奴をもう苦しめたくはない。

「紗彩、早く、俺を突き飛ばして行けっ!」

もう奴の柔肌には、俺が刻んだ無数の痕が散っている。

奴を抱くといつもこうだ。
何度欲を吐き出しても止められない。

奴の声、奴の肌、奴の吐息…その全てを奪って奪って奪い尽くしたくなるっ!



「早く行けっ!」

かろうじて残っている理性で打ち込んでいた楔を抜こうと身体を起こすと、紗彩は信じられない事に、俺に抱きつき俺をそのまま奴の内にとどめた。




/ 178ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp