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運命は鈴の音と共に【東リべ夢】〘羽宮一虎夢〙

第5章 離さない、離れない




〔一虎side〕

この殺風景なワンルームに入ったのは、届け物をした時に一度入ったっきりだ。

この部屋は、稀咲が所有するマンションで、いわゆる“ヤリ部屋”だ。

ちゃんと業者が入るから、新居みたいに綺麗だ。

を他の奴が汚したベッドでなんて、考えただけで吐き気がする。

薬で乱れるを何度も何度も抱いて、自らも薬を飲んで気持ちよくなりながら、に酔いしれる。

「ー……気持ちいーなぁー? んっ、ぁっ、はぁ……あっ……」

「やぁっ、やらあぁっ……そこ、らめぇっ……ンっ、おかしくなっ……ぅあぁっ……」

「やべぇ……頭っ、溶けちまいそっ……はっ、ぁあっ……」

何をしても気持ちよくて、普通の思考がぶっ飛んでく。

他人のこんな姿は見た事あるけど、まさか自分がキメセクする時が来ようとは、想像すらしてなかった。

「っ、っ、ねぇ、孕んでっ……俺の子っ、孕んでっ……あっ、あぁっ……」

薬が切れるまでずっと腰を振り続け、の中に欲を注ぎ続けた。

意識を失ってぐったりするの髪を撫でて、事前に用意していた鎖をの足首に着ける。

「……愛してる……。お前だけは、ずっと……傍にいて……」

眠るにキスをして、シャワーを浴びて部屋を後にした。

数日後、場地が家の前で待っていた。

「あいつは、無事か?」

「当たり前だろ。つか、お前に関係ないだろ。は俺のだ」

場地が俺の心配をしているのも分かってた。下手すれば、じゃなく、俺の方を心配しているかもしれない。

場地は昔からそういう奴だ。

ほんとに、いい奴だ。

「お前、それでいいのか?」

「あ? 何が?」

「お前が今何をしてるかなんて、よく分かんねぇけど、それでお前等二人共、幸せになれんのか?」

俺はがいてくれるだけで幸せだし、それだけでいい。

でも、はどうなんだろう。

好きだ、愛してると言ってはくれるし、その気持ちに嘘はないと分かる。

けど、今俺がしている事は、にとってはどうなんだ。
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