第3章 嫉妬、執着、重い×想い=愛(オモイアイ)
それでも、私は言葉を続ける。
「離して、もう一緒にいたくないのっ……」
「何だよそれっ! 場地が……好きなのかよ……」
私は、迷惑を掛けるのも分かっていたのに、それに頷いた。
沈黙していた一虎が、小さく呟く。
「俺はそんなつまんねぇ嘘は、信じねぇから……。は……絶対、誰にも渡さねぇよ。俺から逃げるなんて許さねぇ……」
強く握られた手首が引かれて、私は引きずられるみたいに歩かされる。
抵抗なんて全く意味がなくて、一虎は器用にスマホを操作して誰かに電話をしている。
「あの部屋空けといて。あー……何日になるかは分かんねぇけど、多分長くなる。うん、じゃ、よろしく」
その後も違う場所に連絡をしていて、車だとかアレだとか、よく分からない話をしていた。
校門を出ると、知らない車に乗せられる。
知らない人が運転席から一虎に何かを渡し、車が発進する。
「一虎……ねぇ、この車何……何処、行くの?」
「お前は何も気にしなくていいよ。大丈夫、別に怖い事なんてねぇし、俺がいるから安心して」
無駄に明るい笑顔が、今は逆に怖い。
何かを口に入れた一虎が、私との距離を詰めてきて、体を後ろに下げた私の後頭部に手を当てて、唇を塞いだ。
運転席に人がいるのにと抵抗するけど、口に何かが入って来てあっという間に喉にスルリと通り過ぎる。
「うん、上手に飲めたな。偉い偉い」
「何……ねぇ、今の何っ……ぁっ……」
疑問をぶつける私の頭を、まるで子供を褒めるみたいに撫でる。
「効いてきた? へぇー、速効とは聞いてたけど、こんなに早く効くんだな」
頭がボーッとして、何かを考えるのが難しくなって来て、同時に体が熱くて奥が疼き始める。
「あっ、んっ、やぁっ……」
脚を擦り合わせてスカートを握る私を見る、バックミラーからの視線に気づく。
「人の女エロい目で見てんじゃねぇ、死にてぇの?」
「す、すんませんっ!」
こちらに向き直る一虎が、私の頬を撫でるだけで疼きが強くなる。
「めっちゃエロい顔してんね……、可愛い……」
「ンんっ、はぁ……ぅ、んっ、ンっ、んっ、んんんンっ!!」
ねっとり絡みつくような、いやらしくて激しいキスに、おかしくなった体はビクビクと痙攣して達してしまう。