第3章 嫉妬、執着、重い×想い=愛(オモイアイ)
ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべて囁く。
「そうなると、みんなが見てる前で、エッロいのする事になるけど?」
「……っ、わ、分かったっ、から……」
耳元でいい声で囁かないで欲しい。耳に熱が集まる。
少し周りをキョロキョロして、人の視線がない事を確認すると、出来るだけ早く済ませようと、ニコニコして目を閉じて、キスを強請るみたいな体勢でいる一虎に近づく。
―――チュッ。
一虎の柔らかな唇に、軽く触れるだけのキスをする。
「うーん……やっぱ足んねぇわ」
「なっ!? ちょっ……ンっ……」
後頭部に手を当てて引き寄せられて、強く唇が塞がれた。
一虎の胸を押し返そうとするのに、力が上手く入らなくて。その間にも、器用に唇の間をぬって舌が入ってくる。
口内を犯されながら、羞恥に苦しむ。
「はっ、ぅ、んンっ、ゃ、んんっ……」
「……はぁ……やば……ヤりたくなるな……」
「ばっ……かっ……信じらんないっ……」
悪いとは絶対思ってない顔で、笑いながら「ごめんごめん」と言った一虎は少し嬉しそうだ。
顔が熱くて、恥ずかしさに顔を一虎の胸に顔を埋めた。
「おー、積極的じゃん。よし、帰ってエロい事すっか」
「し、しないってばっ……」
「えー……」
明らかな不満を顔全体に貼り付けて、口を尖らせる一虎に苦笑しながら、手を取って立ち上がる。
「ほら、行くよ」
「はいはーい」
私が言った事に軽く笑いながら立ち上がる一虎と、再び街を歩き始めた。
そしてその翌日の放課後、私は図書室へ向かう途中で廊下を歩いていた。
図書室の前で、また場地に会う。今日はメガネもなく、髪も下ろしていて、不良バージョンだった。
私は挨拶もそこそこに、一虎との事を報告する。
「まぁ、無事上手く収まったんならよかったな」
「うん、何か巻き込んじゃってごめんね」
私が言うと、場地は犬歯を見せながら「気にすんな」とニカッと笑ってくれた。
そんな私に声を掛ける人物が。
「さん」
呼ばれて振り向くと、そこには“あの子”が立っていた。
私は、彼女と一緒に体育館裏に移動した。
「ちゃんと話すの、初めてだよね? 回りくどいの苦手だから、単刀直入に言うね」