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ゆりかごに甘噛み (R18)

第6章 *・゚・レインシューズはいらない*・゚*【岩泉一】



 本当は、逃げ出したことをどこかでずっと後悔していた。

 一のそばにいられないことのほうが、ずっとずっと苦しいってことに気がついたから。



「私も、······一が好き」

「······雨で聞こえねぇよ」



 一の吐息が耳を掠める。

 聞こえなかったなんて、絶対嘘に決まってる。

 確かに雨音は傘の中まで響くけど、一時に比べたら小降りだし、一の声はちゃんと私に届いたもん。

 こういう一の少しだけ意地悪なところも、相変わらずだ。

 すう…と深く息を吸う。

 そうやって一がとぼけてみせるなら、私は世界中にだって聞こえる声で、言っちゃうんだから。



「一が大好きっ」



 ちょっとだけ得意げに笑顔で一を見上げると、一は面食らった様子でまばたきを繰り返し、数秒後、「恥ずかしいやつ···」と言ってはにかむような笑みをこぼした。









    ❋



 制服を着たたままのふたりに熱い雨が降り注ぐ。

 荷物と靴下を玄関に置いて向かった先は、私の家の浴室だった。

 家族の帰りはいつも遅い。いけない娘でごめんねと、先に心の中でパパとママに謝っておく。



「っ、はじ···め」

「悪い、やっぱ抑え効かねぇ」

「ん······っ」



 シャワーのお湯が制服を重くする。
 髪の毛からしたる水滴が視界を遮り、私は口の中に広がる一の味だけをひたすら求めた。



「······びっしゃびしゃの制服から透ける肌ってやべぇエロいな」

「一、こそ······っ」



 久々の私には刺激が強すぎて目に毒だ。
 一の着るシャツと素肌にはもう余裕なんてなくなっていて、筋肉質な体の線と胸もとが瞳を潰しにやってくる。

 駄目。恥ずかしくて見てられない。一の体が綺麗すぎる。これは、ある意味裸体よりもエロティックかもしれない。


「······っ」



 一の舌が首筋から肩にかけての道をなぞった。

 シャワーの水滴が体のどこを伝っても、一の唇の感触には敵わない。



「ひゃ、ぁ」



 ブラのホックが弾かれる。
 有無を言わさず胸の突起を舐め上げられると、息つく間もなく太い指が秘部のナカを埋めつくす。

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