第3章 *・゚・ゆりかごに甘噛み *・゚*【真島】
ふいに真島に抱えられ、ボスン、とベットに背中が埋まる。
「な、にっ、─あ!」
すぐに両足を抱えられ、再び正常位で挿入される。
硬く滾った真島のそれが、腹の奥を激しく突いた。
「なァ寧々、お前は、おかしいと思ったことはねぇか」
「っ、?」
「海の向こう側ではテロやら戦争で数多の命が吹っ飛んでんのに、この国にはそれがない。平和そのものだ」
「そ、れは···、良いことなんじゃ、ないの?」
「不自然なんだよ。アンバランスだ。善悪の対立によって生じる破壊や人間の生死の裏に、莫大な組織の力が働いている世界。情報は常に操作され、人知れず蝕まれた心を爆発させた外れものだけがことごとく淘汰されていく。負の果てまで追い詰められちまった経緯なんざ、一切知られることもなく、なァ···ッ」
「ひ、ァ」
真島の言っていることがよく理解できなかった。
まるで違う世界の話を聞かされているような。
だだ、じわじわと襲いくる快楽に思考回路が塞がれてゆく。
「ムカつく? 消えろ? くそったれ? 死んじまえ? 生きてりゃ誰もが普通に抱く感情だ。いいじゃねぇか。なにも間違っちゃいない。寧々、安心しろ」
「は、っ、あ、真島···ッ、わたし」
「──俺は"お前たち"の味方だ」
「も、だめ···っ」
オーガズムが駆け登ってきて、真島の声が朧に聞こえる。
達してしまう、と思った瞬間、真島の唇が耳もとに落ちた。
そして、真島は恍惚めいた声で言ったのだ。
「 」
「ぁ───っ、!!」
腹の奥に熱いものが流れ込み、わたしも真島と共に果てた。