第2章 *・゚・夜を結う*・゚*【不死川実弥】
実弥は寧々の体を包み込むように抱き、後頭部を優しく撫でた。
そんな実弥の振る舞いにも高揚し、蜜壺の壁からじわじわと滲み出てくるようなオーガズムが再び寧々を震わせる。
その間、律動の勢いは緩やかなものになり、耳もとにある実弥の口が「···ァ"ー」と呻くような声を発した。
オーガズムによって生じた蜜壺の収縮が、実弥のものに絡みついているのがわかる。寧々にも伝わるほどの満ちた感覚が吐精感を誘発したのか、実弥は「くそ」と小声を漏らし、
「あんま、持ちそうに、ねェな」
独り言のように呟いた。
そんな実弥が愛しくて、ふわふわの髪を優しく撫でる。
「実弥、くん···。お誕生日、おめで、とう···」
「ァ"、? そりゃもう、何度も聞いたぜェ」
「うん···でも、何度でも、言いたいの。実弥くんが、この世に生まれてきてくれたことも···。こうして、実弥くんの隣に、いられることも···。本当に尊くて、奇跡みたいな、ことだから」
───ありがとう。
言いながら微笑むと、実弥の眼球がゆらりと揺れた。ような気がした。
コツン、とひたいがひたいにくっつく。
冷えていたはずの体は愛を紡ぐ間 (ま) に熱を帯び、うっすらと汗ばんでいた。
「···寧々、ちぃとばかし、激しくすんぞ」
「ッ、」
返事を待たずに再開する律動。
寧々の呼吸も再び上がる。
その声音に応えるように、実弥は寧々の名前を何度も呼んだ。
「寧々ッ"、愛してン、ぜぇ···ッ」
「んっ、ァ、わたしも···っ」
ぐ、と上半身を直立させて寧々の腰を鷲掴み、連続して最奥を打ちつけたあと、実弥は薄膜の中に白濁を解放した。