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忍たまの世界に転生したら…戦災孤児なんですが…(恐怖)

第2章 男装…ねぇ。


~きり丸視点~
女の子だと分かった瞬間胸がどきりと痛む。
うーん…どこぞの本の主人公じゃないんだから。
まぁ、勇逸生徒の中で男装してることを知っている特別感が身に染みているのだろうか?
「きり丸!ちょっとこっち来て!」
ミヤだ。まだ会って一日しかいないのに名前で呼ばれちゃった。
「はいはい、なんですかぁ~?」「これ、この家にあるもので作ったの!どう!?」
そう言って見せてきたものは、お守りだった。
「え、すごいじゃん!!俺なんかより全然上手いし。」
「いやいや、そんなことないよw」
照れくさそうに微笑むミヤは何処か普通の人とは違う。
一度大きな絶望が空から降ってきたような。
彼女の腕に付いているケロイド状の小さな傷がすべてを物語っていた。あぁ、見たのか、彼女は。あの光景を。俺でさえも見ていない、あの光景を。幼い少女が、
「ねぇ、きり丸……。」
「うん?何?」
「ちょっとさ……抱きついてもいいかな。」
「はぁ?いいけど、どしたん?」
「ありがと!」
いつからこんな関係になったんだ?きっとお遊びなんだろうけど、いや怖いのを埋め尽くしてるだけなんだろうけど。
今の俺には優しく受け止めるしかない。「よしよぉし……大丈夫だよ。」
抱きしめる力が強くなる。
「……ッ」
「ごめん、ちょっと泣いてもいい?」
「……うん。」
ミヤの背中をさする。
「怖かったよね。あんなの……もう二度と味わいたくないよね。」
「ごめん...!!ごめんね、きり丸にも好きな人いるでしょ?私なんかを抱くなんて困るよね。」
「好きな人いないよ、」
俺、好きなやつがいるかな。
「嘘つかなくていいよ。」彼女は微笑む。
「本当にいないの。」
「そっか、じゃあさ……私の事好きになってくれない?」……は?今何て言った?
『私の事好きになって』?
「えっ、あのっ、そのっ、」「ふふっ、顔真っ赤!可愛いね~」
「あっ……うぅ///」
「まぁ冗談だけど。」
「はぁ!?」
「ほら、早く夕飯食べに行こ!」
「あー!待って!!」
今日は変な日だ、その時土井先生が大笑いしていたのは他でもない。
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