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月島軍曹を絶対幸せにするマン

第1章 月島軍曹に出会う



「いやぁ~、中央でお目にはかかっておりましたが、お話させて頂くのは初めましてですかな!
鶴見と申します!」

「和田と申します
中尉殿には父上が大変お世話になっていたようで」

「なんのなんの!
私めが大尉殿…今は中将殿ですな!
にはお世話になっており………本当に、この度は御愁傷様であらせられま」


よよよ、と鶴見中尉が大袈裟に目元をハンカチで覆う
全てを月島軍曹からすれば、なんとも馬鹿げていた


「ところで月島はどうですかな?
特に困ったことはございませんかな?」

「特にありませんな
むさ苦しい見た目の男ですが、なかなかに気が利く
世話役にご指名されたのも納得しました」

「(褒められとらんな)」

「それはそれは!
大変光栄な事だぞ月島ぁ!!」

「はっ!
有り難きお言葉、感謝致します!」


心を無にして、大袈裟に敬礼する
鶴見中尉は、大変楽しそうににこにこしていた
気味が悪い


「ところで中尉、月島を近々半日程お借りしたいのですが」

「ほう、構いませんが…お買い物ですかな?」

「いえ、父上が遭難したと言う山へ行きたいのです
墓参り…ではありませんが、参っておきたい」

「素晴らしいお心!
お父上殿も草葉の陰で大変喜ばれていることでしょう!

月島!是非とも大尉殿をご案内して差し上げなさい!」

「はっ!」


挨拶が終わると、大尉は早々にその場を離れた
中尉とも仲良く無駄話をする気は無さそうだ


「………月島」

「はっ!」


鶴見中尉が月島軍曹へと耳打ちをする


「あの女は十中八九、中央からの差し金だろう
尻尾を掴め、あるいはほだして此方に取り込めるならそれで良い
やり方は貴様に一存しよう」

「もしも、あのじゃじゃ馬が懐かなかった場合は…?」

「その時は、お父上に“会わせてやりなさい”」

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