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月島軍曹を絶対幸せにするマン

第4章 月島軍曹と樺太先遣隊



次の日、鯉登少尉の交渉でヘンケとエノノカに犬ぞりによる移動兼通訳を頼むことになった
ちなみに、費用は全額鯉登のポケットマネーである
鯉登とエノノカのやりとりを、月島と見つめる


「流石海軍少将の息子だねぇ」

「これで早くアシリパに追い付きそうですね」


交渉が終わると、早速犬ぞりの練習へ移行することとなった



「ゆめ、俺と谷垣のソリに乗らない?
そっちはヘンケにむさ苦しいの2人で苦しいでしょ」

「むさ苦しいかどうかは別として、大尉の事は俺がしっかり支えます」

「んー、どうしようかな…」


杉元と谷垣に誘われ、そうしようかな、と一歩踏み出すと、月島が間に入ってきた


「駄目だ、大尉殿は俺と同じソリに乗って頂く」

「軍曹、何で?
人数的にもゆめがこっちの方がバランス良くね?」

「大尉殿がソリから落ちて怪我でもされては困るからな」

「落ちないよ、失礼な」


月島が紳士のように、肩のところへ手を触れないながらに沿わす
子供扱いにぶーたれながらも月島のソリへ向かう
ソリでは鯉登がまだかと急かしながら待っていた


「私が前が良い」

「「どうぞ」」


どこか嬉しそうに乗っていく鯉登


「じゃあ私は最後尾に乗るわ、次月島軍曹どうぞ」

「いえ、貴方が前です
最後尾では此方に乗って頂く意味がない」

「えっ」

「なにか問題でも?」

「いや……」


無いと言えば無いが、あると言えばある
ここ数日程銭湯に行けていないので、その状態で月島に後ろからゼロ距離で密着することに抵抗があった

しかし仮にも想い人に風呂に入っていない事実を打ち明けることが嫌だった
いや、ここに居る全員が風呂に入っていないのだが

月島は乙女心に気づく筈もなく、眉を潜める


「さっさと2人とも乗らんか!」

「さあ、もたもたしている暇はありませんよ、大尉殿!」


月島が指導上官のように手をたたく
2人に急かされて、なわやかんやで鯉登と月島に挟まれる形で乗ってしまった


「(フケとか見えませんように……!)」
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