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月島軍曹を絶対幸せにするマン

第3章 月島軍曹と網走監獄



「網走監獄の犬童典獄が白石を迎えに来た?」

「はっ!
如何いたしましょうか」

「鶴見中尉には連絡したか?」

「ただいま他の者が連絡中です」

「参ったな…今鯉登少尉は休憩に外に出ている
恐らくいつもの店だろう、連れてこい」

「はっ!」





「白石」

「あれ、どうしたの和田ちゃん」

「ちょっとな
お前今日死にたくなかったら私から離れるなよ」

「え~何々?
求婚?」

「黙れ」

「くぅ~ん」


尉官室に白石の様子を見に行くと、兵が白石を迎えに来た
鯉登少尉は間に合わなかったようだ
何が出来る訳ではないが、後をついていく

部屋に入ると上座に老人と顔を袋で隠した大柄の男がいた


「(何だこいつ?)」


凄い見た目だな、と袋の男を見ていると、男もこちらを凝視していた
女の兵隊が珍しいのだろうか


「?」


その時、扉が開いて鯉登少尉が入ってきた


「(間に合ったのか)」

「どうした鯉登少尉」

「鶴見中尉が旭川に到着するまで、白石は誰にも接触されるなと指示されている筈ですが」


淀川中佐は言い淀むがすぐに戻れ、と指示を出す
鯉登少尉は聞き入れること無く一歩前へ進んだ


「犬童さま、ちんちんぬきなっもしたなぁ」

「ちんちん?」


その場にいる全員が、急に何を言い出すんだコイツは、と固まる


「犬童さまは薩摩の方言を流暢に使いこなすとお聞きしました
さっきおいがなんちゅたか、答えてびっくいやんせ」

「(あ、方言か
びっくりした)」


顔が整った男からいきなりド下ネタが出てきたのかと驚いていたが方言だったことにホッとする
老人は本物だったようで、二人は薩摩弁で話し合っていた

しかし話の途中で少尉は犬童典獄と袋の男を撃った

「え!?」

「鶴見中尉の情報では犬童四郎助は下戸だ」

「(それにしたって、上司かもしれない奴を躊躇無く即死させるのは頭狂ってるな!)」


白石確保のため手を取る
淀川中佐が怒り、こちらへ銃を向けてきた


「白石は殺さないで下さい!
鶴見中尉に叱られてしまう、私が!」

「どけ和田大尉!」


淀川中佐は完全に発砲する気だった
自分に当たるか白石に当たるかというところである
痛みを恐れて目をぎゅっとつぶる

一発発砲されたが、どちらにも当たらなかった
目を開けると、杉元が盾になっていた


「佐一!」
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