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月島軍曹を絶対幸せにするマン

第3章 月島軍曹と網走監獄



旭川支部

「脱獄囚の白石を捕まえたって?
どんな奴だ?」

「和田大尉、ちょうど鯉登少尉も白石と話されています
どうぞ此方へ」


第七師団27連隊が白石を捕まえたとの報告を受け、大尉室を抜けて見に来た


「お美しい兵隊さんだぜ……
白石由竹です、付き合ったら一途なタイプです!」

「おまん、和田大尉に手ぇ出すなよ」


鯉登少尉が呆れ顔で白石を見る


「えっ、和田ちゃんって大尉なの!?
いいな~美人上司、俺も怒られてあんなことやこんなことやお仕置きされた~い☆」


白石は調子の良いことを良いながら、人差し指で胸を優しく一突きした

ビキッ、とこめかみに青筋が浮く


「よーし、お仕置きしてあげちゃうぞぉ~☆」

「ギャー嘘嘘!
暴力反対!!」


腰にさしていた軍刀を鞘ごと抜き、白石を思いきりどつく
鯉登少尉が思わず止めに入った


「和田大尉、白石は殺さんでくいやい!」

「何で?さっさと皮にしてやろうぜ
私が剥いでやんよ、生きたままな」

「鶴見中尉どんの指示です!
私が怒られてしまう!」


鯉登少尉の頼みに仕方なく刀をおさめる


「いだだだ……
暴力女は可愛くねぇぞ!」

「で、白石は他の連隊には報告していいのか?」

「いえ、こいつの事を知っちょりますは、和田大尉と淀川中佐だけです」

「……なるほどね」


すぐ殺さない事といい、こいつには何らかの利用価値があるのだろう
間抜けなふりをしているが、とんだ食わせ者なのか


「よし、隠し場所は27連隊尉官室でどうだ
24時間監視をつけろ、私も頻繁に見にこよう」

「かしこまりました」


月島軍曹は今どうしているか、と考える
あの夜の後旭川へ帰る日、起床時間どころか出発の時間になっても月島軍曹は起きなかった
それで仕方なくベッドに残して出ていったのだ

それ以来会えていない


「(風邪はひかなかったかな……
顔が見たいなぁ)」
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