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月島軍曹を絶対幸せにするマン

第2章 月島軍曹と刺青人皮




夕張

炭鉱は労働者が多かった為、ふた手に別れた
若い数名の男に声をかける


「どうしたお嬢さん」

「かくしかで、刺青をいれた男を見ませんでしたか?」


愛想良くしていると、男の一人が顎に手を当てて唸り始めた


「うーん、どうだったかなぁ」

「無いですかねぇ…」

「それよりお嬢さん、その緑のリボン良く似合ってるねぇ」

「あはは、ありがとうございますぅ
じゃあこの辺で…」

「俺、見たかも知れねぇわ」

「本当ですか?どこで?」


食い付くと男は下卑た笑みを浮かべた


「いやぁ~どこだったかなぁ
ま、ちょっとあっちでゆっくり話そうや」


肩に手を置かれる


「ちょ」

「ゆっくり話せば思い出すと思うわ、俺」

「あー確かにそれな
よし、ちょっと人気のないところで集中しようぜ」

「今思い出せないならもういい」

「おー怖い」


抵抗するが男数名はそのまま引き連れようとする
胸元の小銃を出そうとしたその時


「俺の嫁に触らないで貰えるか」


月島軍曹が間に割って入ってきた


「つき……基!」

「あ?嫁?」


男達が月島軍曹を睨む

月島軍曹は屈強と聞いているが、炭鉱で鍛えた男数人には敵わないだろう
男達もそれが解っているから、自信ありげに月島軍曹を睨む


「行こう基、すみませんでした」

「ちょっと待てよ」


月島軍曹の二の腕を取り去ろうとすると、後ろから男に肩を引っ張られる


「きゃっ」


瞬間、月島軍曹に片手で抱き寄せられ、彼の反対の手は男の顔面真ん中に沈んでいた


「ぐぎゃっ」

「てめぇ、よくも!」


変な声をあげて男が一人膝をつく
他の男達が月島軍曹に向けて拳を作った


「月島軍曹………お前、強いんだな」


あっという間だった
そこから一人を残して倒してしまったのだ

現在は残りの一人を締め上げている


「知っているのか知らないのか、どっちだ」

「知ってる!知ってるから離してくれぇ!」


男の体からは、ギチギチと嫌な音が鳴っている


「このまま話せ」

「いだだだ!
その男、俺らと同じ日雇いで働いてたんだ!
だが、こないだの事故で亡くなった筈だぜ」

「「!」」

「死体はどこだ?」

「恐らく郊外の墓地に埋まってる筈だ!
見たけりゃ墓荒らしでもするんだな!」


私達は顔を見合わせ、頷き合った
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