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月島軍曹を絶対幸せにするマン

第1章 月島軍曹に出会う



「そうか、やはり彼女は中央のスパイだったか

月島軍曹、じゃじゃ馬娘の手綱を引くとはやるではないか!
どんな手を使った?」

「いえ、私はなにもしておりません
ただ、あちらの方で元々一悶着あったようで彼女は中央に忠誠心がないそうです

この話も、あちらから持ちかけてきました」


嘘ではない
ただ、あの事は鶴見中尉にも言う気が起こらなかった


「そうかそうか、彼女は"色々と"苦労をしてきたようだからなぁ
父ぎみの和田大尉……中将とも仲はさほど良くなかったようだしな

我々が父親代わりになってやろうではないか」


大袈裟に手を組んでうんうん、と頷きながら話す
知らぬふりをしたものの、流石情報将校は既に知っているようであった






「失礼します」


扉を閉める
次は下級兵の訓練だったな、等と考えながら廊下を歩き始める



すると、廊下を数名が占領して立ち話をしていた
名前は分からなかったが、腕の模様を見るに一等兵と上等兵だった

規律が乱れているな、と眉を潜める


「……おい「和田大尉は本当に見目麗しくあらせられますな!」

「!」


男どもに囲われて見えなかったが、大尉がいた
隙間から見える顔は、初日同様目が笑っていない


「自分、和田大尉と働くことが出来て光栄であります!」

「ははは、煽てても何も出んぞ」

「ところで和田大尉、第一師団ではお慰みのお仕事もされていたとは本当でありますか?」

「!」

「おい!」


一人が嗜めたが、質問をした隊士は興奮しているようで止まらない


「本当なら、是非私めも慰めて頂きたいものです!」

「………」


彼女は何も答えず無表情で俯く


「(馬鹿、それでは肯定しているようなものだろうが)」


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