第2章 おねいさんは何者?
その日はおねいさんからおやつを沢山貰った
エッグタルト、イチゴのケーキ、フルーツクレープ
数え切れないほどだった
「なんでこんなにくれるの?」
「少しの間この家には帰ってこないからその分覚えていて貰えるようによ」
「絶対忘れることない!」
「俺も!!!」
「そっかそっか ならおねいさんとの約束ね」
「うん!」
約束をして貰ったおやつと出してもらった紅茶を飲んだらおねいさんとお別れをする時間になってきた
「また数週間後に帰ってこようと思うからその時にまた沢山お話させて」
「うん!」
「ならまた今度!」
「うん!!!」
おねいさんと別れた
その日の夜はなんだかワクワクとドキドキで眠れなかった
光が差し込む
朝になったんだ
おねいさんに会いに行ってまた色んな話を聞かせてもらおう…
寝ぼけまなこを擦りながら身支度をする
いつもどうり髪を結ってもらっていつものお気に入りの服を着て友達が来るのを待っている
でも待っていても友達は来ない
お昼になっても
まあいいかと思いおねいさんがいた家に一人で行く
おねいさんの家は昨日のまま
でもおねいさんはいなくて友達もいない
楽しく過ごした空間だけが残ってて大切なものが居ない
ふと涙が流れてきた
「おねいさんは旅に出ていないんだ…」
涙を拭って友達の家に行った
家の前で名前を呼んでも返事がない家の裏の畑に行っても友達の両親しかいなかった
「あの…」
「あーいつも息子と遊んでくれている!」
「どうも…」
「どうしたの?」
「その…今日お家に来なかったから心配になって…」
「あー 今日はなんか俺は鍛えに行くんだって言ってどっかはして行っちゃったわよ?」
「そうですか…ありがとうございます…」
「いいえー」
どこに行ったんだろう
その後もプルアさんの研究所もいつも悪さをしているところも走って探した
でも見つからなかった
私は一人でいる事が初めてで寂しくて辛かった
いつも遊んでくれる人も話を聞いてくれる人もいない
意外と自分は恵まれているということに気づいた日だった