第1章 歪なカンケイ
それでも私は別に構わない。
大切に、自分だけを見ていて欲しいなんて思ってないし、してもらえるとも思っていない。
私達は、そんな関係でもないから。
彼にそれを望めば、多分この関係は終わってしまうだろう。
虚しくもあるこの関係に、今の私は縋っていたいのだ。
珍しく、すぐ帰る事はなく眠ってしまった彼を見つめる。
普段、金色に染められた前髪を立ち上げる髪型なのが、下ろされていると少し幼く見える。
無駄に綺麗な顔で、腹が立つ。
頬を軽く摘むと、少し身動ぐ。
この関係は、いつまで続くのか。彼が飽きれば、私はすぐに捨てられてしまうんだろう、なんて考えながら、彼に背を向けて私も目を閉じた。
翌朝、何かの重みで目を覚ました。
後ろから抱きしめられるような体勢で、長い腕に包まれている。
その腕を退けて体を起こすと、隣の男が唸りながら目を開けた。
「おはよ。私は学校行くけど、半間はどうする?」
「ん……行ってら……」
枕に顔を埋めながら、気だるげに軽く手を振る。
そんなやる気のない男を放置して、私は制服に袖を通していると、視線を感じてそちらを見ると、ボーッとこちらを見る半間と目が合う。
「何?」
ベッドから降りて、こちらに歩いて来た半間が、私を抱き寄せる。
「ちょ、遅刻するっ……あっ……」
「初めて会った時、制服にムラムラしたの思い出したわ」
「変な事言わないで……ちょっと……ダメっ……あぁっ……」
せっかく着た制服が、どんどん乱されて行く。
壁に手を付いた体勢からスカートを捲って下着がズラされ、そのまま挿入される。
いつもいきなりで、困惑や抵抗をする暇すら与えては貰えない。
後ろから突き動かされながら、初めて会った時を思い出していた。
私が一年の頃だ。
その日は凄く寒くて、マフラーを口元まで上げながら、帰り道を歩く。
人気の少ない道に差し掛かり、何気なく路地に目がいった。
片足を立て、もう片方は伸ばしたまま座り、空を仰ぎながらタバコを吸っている半間がいた。
怪我をしているように見えて、普段なら不良だとかヤンキーだとか、怖い系男子には絶対近寄らないのに、その日は何故か体が勝手に動いたんだ。
冷めた目が私を見る。