第7章 アたしの下着ドロボウしてぇン....♡
ーーーそんなことはあたしはツユ程も知らず。
「あっはぁんっ♡イくッっ!!!」
暗がりの部屋の中で、ドラマの中の女泥棒が何かしらの布を盗み出すシーン...を観ながら、グチョグチョ指で弄っていた。
「はぁ...はぁ...♡」
脱力し、ぶるるっ♡と肩を震わせた。下着の中から手を取り出して嗅ぐ。
「こんなにエッチなお汁...♡いっぱい出ちゃった...♡」
どうしてあたし、下着を盗まれるという事に、浪漫を抱いているのかしら...?
これでも真面目に善良に生きてきた訳なのに...。
ふと思い出す。だらしないおっぱいを垂れ下げてあたしはうなだれる。
三つ編み時代の、メガネでセーラー服を着た昔のあたしをーーー。
その昔、美美美女学園という幻のような噂の百合学園にーーー落ちた。
『エ...ッ!?』
そこの高校しかどうしても行きたくなかったが、あえなく他の高校に入学しーー..若干、グレた。髪を染め巻き始めオシャレを覚えーー..
美美美女学園を志願するくらい、あたしは自覚なくレズビアンだったけど気付かず、そこから遊びまくって...
『あんっあんっあんっ♡』
腰を振られ、リズム打ちのように喘ぎ声を出したけど、残るのは物足りなさ。
『なんか..."違う"...』
男の人の背中に手を回しながら、そのゴツゴツとした筋肉に、やっぱり物足りなさを覚える。
...虚しい。恋をした事が、あたしは無いのかもしれない。