第7章 休日(※)
夢主side
彼に抱かれた後、ボーッと横に寝転がっていた。
春千夜は隣でスマホを弄っている。
『ねぇ、なんでゼンと仕事してるの?』
「ウチのボスの希望だよ、オレは興味ねェけど」
・・・佐野万次郎、か。
あんなのに気に入られたゼンが早死にしないか心配。
少し横を見るといつものカッコイイ顔があった。ただスマホを眺めているだけなのにキュンとしてしまうなんて重症かもしれない。
『・・・あの、さっきは、ごめん。・・・めちゃくちゃな事いって』
「オマエが典型的なヒステリックなのはよく分かるわ」
春千夜は目線だけをコチラにずらし手元はそのまま。
目が合うのが少し気まずくてフイっと逸らしてしまった。
「昔から?それとも男が絡むとそうなんの」
『・・・・・・ただの母親譲り』
両親が今どうしているかはよく知らないけど、私の性格は母親にとてもよく似ている自覚がある。感情的になると泣き喚いてめちゃくちゃな事をいうけど、後で後悔して謝るのがオチ。
「ヤってる時は素直なのになァ?いつもあーなら可愛げあんだけど」
『スグからかうの、嫌い』
「はは、拗ねんなよお子ちゃまが」
ケラケラ笑ってくる彼はやっぱり子供扱いしている。27歳の男からすればそんなもんなのだろうか。
肉体関係だけでも、一緒にいられるこの時間が別に幸せだった。
離れてしまうよりマシだから。
『春千夜は、もし今日たまたま会ってなかったら私と会う気なかったの?』
ずっと気になっていた事だった。今日抱いたのもたまたまで、全部が偶然でしかないならまた会えなくなってしまうんだろうなって。
私の言葉を聞いた春千夜はこちらを向いて、少し驚いた顔をしていた。
「あ?何言ってんの。オマエ、来週から梵天くるんじゃねェの」
『・・・・・・・・・は?』
ナンノハナシ?
私の頭に大量のはてなマークが溢れた。
「こっちの仕事に追加でオマエと銀髪野郎が派遣されてくるって聞いてっけど?そっちのボスから」
・・・まって、そんな事は何も知らされていない。
あの・・・!バカ社長・・・!!?