第7章 休日(※)
夢主side
『ま、まって!初耳だし、派遣って・・・』
「オマエを送るって事は潜入捜査だろ。しかも今回は長丁場だぜェ?会わないも何もとっくに知ってんのかと思ってたわ」
春千夜はベッドから起き上がって服を着始めた。
・・・え、ってことは。当分春千夜といれるってこと?
まさかすぎる展開に思わず私も起き上がった。次はどうやったら会えるのかどのくらい掛かるのか、今さっきまで悩んでいたものだから。
どうしよう、嬉しい。
仕事とはいえ嬉しい。内容の事を考えると不謹慎だけど。
「ったくヒデェなぁ〜〜。オレはが来るって聞いて楽しみにしてたのによォ?」
ニヤニヤしながらこっちを見てネクタイを締める彼の姿にうっかり見蕩れてしまう。
さっきまであの男に抱かれてたと思うとキュンとする。
『・・・あれ、どっかいくの』
「戻んねェと銀髪がうるせーんだよ、この前もクソしつこかった」
あの野郎、春千夜にまでなんか言ったのか。
変な事まで言ってないといいけど。
「・・・あぁ、そういやアイツはオマエのことを厄介もんがあるって言ってたなァ?死にたくなけりゃ関わるべきじゃねーって」
ドクリ、と心臓が大きく動いた。
やっぱりロクな事をしないな、ゼンは。
「アレ、どういう意味なわけ」
着替え終わった彼がこっちに向き直って見下ろす。
別にそんな深く捉えた訳ではなさそうだ。
『・・・・・・さぁね、私に騙されて死んでく男ばかりだからじゃないの。でも春千夜は、そうじゃないでしょ』
まぁ間違ってはいない、別に。
でも、この時の私には彼には知られたくない秘密があった。
"それ"がある限り、きっと私の恋は実らない。
そして、彼を守る為についた1つの嘘。
私達の関係なんて、まだ始まったばかりに過ぎなかった。