第7章 休日(※)
夢主side
何度か繰り返され、彼の口から水を流し込まれる。
含み切れなかった分が首を伝って垂れていった。
『・・・ん、ん』
いつも強引なのに意地悪なのに、こういう時は凄く優しい。
春千夜に乱暴に身体を扱われた事なんて一度もない。
彼は薄目で私がちゃんと飲んだのを確認したのかそのまま唇は離れること無く、啄むようなキスが繰り返された。
チュ、チュ、といやらしいリップ音を鳴らしながら。
彼のキスについてくのが精一杯なのにいつも春千夜は私を見つめている。
伏せガチな目で、それがたまらなく色っぽくて好きだ。
『・・・んっ・・・ねぇ・・・はるちよ』
「・・・ん?」
私の呼び掛けに答えるように唇を離した。
胸が苦しい、どうしようもない高揚感。
勘違いしてしまうから、こんな優しいキスされたら。
『・・・なんで、キスするの』
自分の質問はいちいち面倒臭いなっていつも思う。
それでも気になっちゃうの、彼の考えてる事が何も分からなくて。
「オマエ見てると、すげぇムラつくから」
何言ってんだこの男、って思っても春千夜の表情はいつもと変わらない。
・・・欲求満たす為なら私達ってただのセフレだ。
そう考えたら一気に苦しくなってきて、言葉が止まらなかった。
『性欲満たしたいんなら、他の子のとこいって』
「ハ?」
『アンタならいくらでもいるでしょ。・・・その辺の女と一緒にされるなんて勘弁なの』
思わず当たり強い言葉が出てきてしまう。
でも、正直本心だった。
私以外にもいるなら思わせぶりな事しないでほしい。私はきっとバカだから、すぐ浮かれてしまうから。
「ほんっと、可愛げねェ女だな?・・・意地張んのも大概にしとけよ」
出会った時に聞いた、低い声。
まるで拒絶するような声。
・・・怒ってる。
顔を見れない。自分で言っときながら何がしたいんだろう私は。
もう、わからない。
消えてしまいたい。
こんな私じゃ何も上手くいかないから。好かれないから。
・・・見掛け倒しの女でしかない。