第7章 休日(※)
夢主side
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彼等と別れた後、もう夜だった為そのままお酒を飲みに私達はバーへとやってきた。
というか、なんだか今日はもう酔いたかった。
『・・・でねぇ、勢いで・・・えっちしちゃったの』
「キャー!それでそれで?・・・営みの方はどうでした!?」
まるでオッサンかのように人の夜事情を興奮気味に尋ねてくる彼女。会員制バーなのでそんなに周りに人も居ないことが救いだ。
『なんかすごい・・・上手くて。慣れてたから・・・色んな女の人抱いてきたんだろうなって』
「なるほど〜、見たまんまの男性ですね。それで彼の経験の多さに病んでしまったという訳ですか」
『ん〜〜・・・別に想像はついてたけど、どうせ私はその辺の女と変わらないんだろなぁって』
口を尖らせながらグラスを見つめる。また自分に自信がないターンである。仕事で異性を相手してるといっても肉体関係を持つ事もほとんどない為、そっちに関してテクニックがあるという自信もなかった。
彼は、私を抱いた時どう思ったんだろう。満足できたのかな。
「・・・ふふ、可愛い様。恋する乙女ですね」
『何バカなこと言ってるの・・・そういうんじゃないし』
「自分で気づいてないだけでバレバレですよ。あの方と喋ってる時の様、見た事ないくらい女の顔してましたから」
ニコニコとこちらを見つめる彼女。なんだか、恋愛経験に関しては私より彼女の方が経験ありそうだ。
女の顔?一体どんな顔よ。
そう思って自分の顔に触れるが、よく分からない。
ふわふわと酔いも回っていていつもより頭が働かない。理性が少し無くなるだけで、認められなかった気持ちすら自覚してしまう。
『・・・・・・私ってさ、春千夜のこと・・・・・・好きなのかなぁ』
「はい、どう見ても」
初めてだ、こんな気持ち。
だからよく分からなかったの。
頭の中が1人のことでいっぱいになって、何かしてても考えてしまう。朝目が覚めると必ず過ごした時間を思い出す。
彼の一言で一喜一憂して、彼の些細な行動に喜んだり悲しんだり。
会える事がとても嬉しくて。全部忘れるくらい嬉しくて。
・・・・・・なんて甘い感情なのだろう。